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アリスソフト三昧 −とり尽くし−
アリスソフトの眼差し −とりさんとマンスフィールド−
続・アリスソフト三昧 −秋葉散策編−
二編収録

続・アリスソフト三昧 −秋葉散策編−

「ALICE SOFT HOME PAGE」(公式サイト)

いま、私は、最初の「詩」が生まれた瞬間のことを想像する。それは最初の
詩人が、自らの周囲に充満している「神話」を意識し、それを自らの言葉に
よって、ムーサイの言葉としてのみではなく、語り始めようとした瞬間の
ことである。このとき、「神話」は呪縛をかけるものではなくなり、
人間の支配のもとにおかれ、人間の存在の証明となることができた。

(江藤淳「神話の克服」)

先ほどFateのアニメ第2話を見、セイバーの登場シーンでゾクゾクしてしまいました…

すげえ、すげえよ!!このアニメ、メッチャ出来がイイッ!!うはっ!!

…あれ…タイトルと文章が全然違いますね(爆)

タイトル通り、最近エロゲ新作が全く出ないので、アリスソフトの古い作品
ばかりプレイする日々が続いておりまして、今日(1/18)は久々に秋葉に
でてアリスの「闘神都市U〜それから」を買いに行ったのですが……………


………あれ………?

予算3000円の筈なのになぜ俺は二万近く買い物していますか???

ああ…秋葉原は、お金をいつのまにか吸い取ってゆく魔の都だ!!←意志薄弱なだけ

という訳で、本来の目的をすっかり忘れて散財してしまいました…

最近、お腹が空くとカレーワンタンの味が味雷に甦る恐るべき状況なので、なんとか
したかったのに…
散財し過ぎでこれからも当分カレーワンタンぽい状況だ!!

ちなみに、最初はエロゲ中古屋さんにちゃんと行ったんですよ。しかし、
そこで「闘神都市U〜それから」は売っておらず、あれ…なぜか店から
出てきた時には「アリスの館7」を持っていました…あれ…俺の身体が
意志に反して勝手にエロゲを買ってしまったああああ!!!←末期症状

ちなみに「アリスの館7」は1980円でした。「アリスの館」と聞くと、中古屋で
それこそ一万円を超える値段が付いていた高額商品(アリスの館4・5・6)という
感じがあったのですが、「アリスの館7」は中古在庫が余ってるみたいで1980円
というかなり安い値段で驚きましたね。ちなみにアリスの館7の隣で売っていた
「20世紀アリス」は980円だった…、涙を禁じえない!!(^^;

余談ですが家に帰ってきてから封を開けたら、ウルトラ魔法少女まななが、
ビニールパッケージの封を開けてない状態でした。前の持ち主はまななを
プレイすることなく中古屋さんに売ったんだ…勿体ないことする人いるなあ…。

秋葉原にはエロゲに付いてくる各店舗独自の限定サービス品の為に、色んな
店舗で同じエロゲを買って、ダブったエロゲを未開封のまま中古屋さんに売る人が
多くて、中古屋さんに未開封中古エロゲがごろごろしているけど、ああいうの見ると、
ほんと、世の中、お金のあるところにはお金があるんだなと、羨ましいです…(^^;

まあ彼らのおかげで新作ソフトが発売日にすでに未開封中古として、普通に買うより
1000〜2000円くらい安い値段で買えるので、私的にはありがたいことですが…。

その後、秋葉のお店を回っていましたら「Gシスター」と運命の出会いをしまして――

「そんな愛らしい小さな足先で悪戯されたら、もう……」

こんな表紙を見ちゃったら
ロリマゾとして買わない訳にいかないじゃないですか!!

という訳で、Gシスターを買って(1500円)、そしてロリエロコミの「炉娘萌」
と「膨らみ始めたエッチな年頃」とロリエロコミ誌の「少女天国」も一緒に買って、

そしてその後…、エロゲアニメ「夜勤病棟・参 Experiment.2」を買ってしまいました…

私はエロゲアニメはだいたいレンタルビデオ屋さんで借りて、それで済ましている
ことが多いんだけれども、このアニメだけは、どうしても欲しい作品でして…。

最初レンタルで見て、あまりの女神ぶりに感動のあまり泡を吹いたほどの作品なのです!!

このアニメは我が愛するご主人様、ロリ女王様のひより様が大活躍される作品でして、

…ああ、アニメのひより様もゲームと同じくマジで神、偉大なる女神様だ――!!!!!

とにかく、ひより様がロリ女王様として、主人公を責めまくる話でして、ロリマゾ
なら必ず買うことを強くお勧めする。ロリマゾ的には、まさに神々しき逸品ですよ!!

こうしてたっぷりと散財した後、新宿にも寄って「血と薔薇 コレクション」の第二巻と
第三巻を購入しまして、大満足して帰途へとついたのですが…電車のなかで思い出した、

しまった、「闘神都市U〜それから」を買うのを忘れてた!!(爆)

という訳で、本来の目的をすっかり忘れて大散財してしまった訳ですが、
まあそれはそれとして、さっそく「アリスの館7」の各ソフトをインストール
しまくってプレイ。もちろんまななもインストールしましたよ(^^)

そして今、アリスの館7の音楽CD「アリスサウンドコレクション7」を聴きながら
この文章を書いているんですが、いやあ、やっぱりアリスの作品はイイですね!!

こうなんというのかな…これはエロゲに限らず、大体の芸術作品というのは、
作品が作られていくうちに次第にお行儀の良さみたいのに回収されてゆくところが
あって、作品自体が持つ不条理で不合理でなおかつ圧倒的な生命パワーみたいな
ものがだんだん初期の作品に比べると次第に磨り減ってゆくところがあるんだけど、
アリスソフトはその作品生命の力、芸術における「血と大地」の力とでも云うべき
ものを、知性の力で手綱をしっかりと握った作劇法によって、上手く飼いならして
昇華しているところがあって、これは、なかなか他のソフトハウスには真似の出来ない
ところだなと私は思いますね。昔のエルフなんかもこの辺が上手かったけど、最近は
ちょっと手綱の締め方が甘くなっているところがあるかな?私はエルフ作品は昔も今も
大好きだから、アリスだけじゃなく、エルフにも頑張って欲しいなと思いますね。

要するに「神話」(不条理で不合理な自然の根源的力)を恐れて、文学作品が
日常的な、しかも形骸化された「規範」――文学以外の「規範」によりかかろう
としはじめるとき、その作品はすこしも面白くなくなる。世の中には真面目な
作品や善意の作品というものがあって、それらはわれわれを安心させたり、
自己満足的なイメージを与えてくれたりするが、そのような作品は結局面白くない。

そして面白いのは、逆に、人間が残酷で、淫猥で、おおむね悪意であるにも
かかわらず、そのことを自ら意識している、ということであろう。そしてさらに、
残酷な、淫猥な、しかも官能的なものはおそらくあの「神話」そのものに根ざしている。

人間が(不条理な)「神話」からのがれえたというのは錯覚であり、われわれの血の
なかにひそんでいるあの「死」の思想のメタフィジック――すべてのロマンティシズム
の「もと(アルケー、根源)」であるあのメタフィジックはおそらく永遠に死ぬことがない。

(江藤淳「神話の克服」)

昔のニトロプラスの作品とか、この「死」、「血と大地」のダイナミックなエネルギー
がそのまま噴出していてとても面白かったんだけど、アリスソフトは更に捻ってあって、
良い意味で散文的な知性が、その「血と大地」の力を人間的な技巧の世界と婚姻させている。
それが凄く面白くてね…、三島由紀夫の小説なんかと似通うとこがあるかなと私は思う。

最も根源的な場=死=自然へ常に近接しようとする意識の芸術である限り、
それは形骸に堕すことなく、芸術としての神性を輝かせ続けることができる。

アリスソフトは意識的にその芸術性を持ち続けようと欲する場のあるソフトハウス、
他のソフトハウスもその芸術としての神性を持ち続けることを欲することを願うよ――。

さらに重要なことは、あらゆる文学作品がなんらかの意味で、「詩」との関係を
持たないでは無力だということである。さらに「詩」は、どれほど高次の抽象が
行われるとしても、「神話」から生まれないことには無力だということである。
文学作品は、そのなかにどれほど危険なメタフィジックがかくされていようとも、
「神話」の原始的衝動に似たなにものかをとらえられないとき、形骸に堕落する。
このことは、いままで引用してきた三人の作家の異常な魅力からも証明できること
であり、さらに、近代主義から出発した人々のうちで、非合理的な「自然」や
「神話」の声に耳をかたむけた人のみが、依然として旺盛な仕事を続け、
「薄皮」でない作品を発表しているという事実からも証明できることである。

(江藤淳「神話の克服」)

参考作品(amazon)
アリスソフト「アリスの館7」

江藤淳、他「現代人の思想セレクション3」(神話の克服)

「夜勤病棟・参 Experiment.2」

あ〜る・こが「炉娘萌」

Low「膨らみ始めたエッチな年頃」

澁澤龍彦(編)「血と薔薇 コレクション2」

澁澤龍彦(編)「血と薔薇 コレクション3」

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アリスソフト三昧 −とり尽くし−

「ALICE SOFT HOME PAGE」(公式サイト)

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、
かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。

(鴨長明「方丈記」)

先日お伝えしました通り、エロゲ新作が全く出ない昨今、アリスソフトの古い作品
の再プレイに嵌っておりまして、「鬼畜王ランス」「夢幻泡影」「闘神都市U」を
どれもクリア。いやあ、面白かった!!アリスソフトは最高だね(^^)b

しかし、アリスソフト三昧はこれからが本番だ!という訳で、次にやるソフトとして、
「オンリーユー」「闘神都市」「デアボリカ」「アトラク=ナクア」「ナイトデーモン」
をインストール。ちなみに「闘神都市」はアリスソフトさんが
「配布フリー宣言」
を行っているソフトでして、アリスソフトアーカイブスさんから無償でソフトを
ダウンロードすることができます。ありがたいことです\(^^)/

アリスソフトアーカイブスさん(アリスソフト公認のダウンロードサイトさん)

ただ、「闘神都市U〜それから」というソフトもやりたかったんだけど、エロゲ屋
さんに買いに行ったら、ちょっと見当たらなくて、それは少し残念…。秋葉で
中古を探してみれば多分あると思うので、今度秋葉に行った時に探してみる予定。

オンリーユーをまず始めたのですが、なんてえらく燃えるゲームなんだ!!
ここでの「燃え」は「萌え」ではなく、熱血!!の方の「燃え」です〜。
「燃えるドラマツルギー」とでも云うものを、完全に手中にしている作品。
ヒロインとしてとても魅力的な主人公の妹、魔神恵の扱いとか、並のソフトハウス
じゃ決して真似できないものがあるよ…。来夢シナリオの恵の扱いには、驚いた…。
これは悪い意味で驚いたのではなく、キャラクター性を超えるドラマツルギーへの
志向が、今のゲームとは全く対極を示している。つまり、ぶっちゃけて云えば、
今の作品の数多くはキャラクター性、ヒロインの魅力を最優先する為、ヒロインに
回避できない、壮絶な悲劇の運命というものを、決して与えなくなってきている。
キャラクター性が、ドラマツルギー(物語世界)に優先している。だけれど、
そんな中、本当に優れた一部の作品、例えば
KEYのAIRなどだけが、キャラクター性
を超えたドラマツルギーを描いている。キャラクターを超えた世界の変転、
彼彼女らの運命の変転を描くことにより、そこに始めて、真のキャラクターの
人間性、人間の意志を超えた運命に弄ばれながら、なおその運命に立ち向かう、
個たる生くる者の貴き輝きが発してくる。アリスソフトはそれがちゃんと
分かっている、今のエロゲソフトハウスの中では数少ないソフトハウスですね…。
このような、意志を超える世界と運命、そしてそこで生きる意志というモティーフ
こそが、古典伝統的なモティーフ、
「vanitas」の芸術、極めて優れた作劇法である
ことは間違いなく、私としてはただ萌えるだけよりもこちらの方を遥かに評価する。
それは意志を超えたものを感じさせる、すなわち世界の
「sublime」を感じさせる、
大いなる「sublime」の念を抱かせる芸術作品こそ、美すら超える芸術の最高峰――!!

そして、「オンリーユー」をプレイした後は、「闘神都市」をちょこちょことプレイ。
いやあ、闘神都市Uクリアした後だから、前作のプレイは感慨もひとしおだよ…。

そして、「闘神都市」をプレイした後は、「デアボリカ」「アトラク=ナクア」
「ナイトデーモン」をプレイ。まさにとり尽くしとでもいうべき、珠玉の作品達!

どれも優れた作品なのですが、全部紹介しているときりがないので、ここでは
特に私好みな「アトラク=ナクア」を取り上げると、ああ、もう、
初音姉さま!!

比良坂初音は、私にとって稀有な存在である、「心から愛するタイプの年上系ヒロイン」
ですね。私は、自分より優れた存在のみしか愛することがどうしてもできないし、それは
重々自覚していて、私がロリっ子に魅了されるのも、彼女達の持つ、未来の可能性と
純粋無垢な魂が、私を遥かに超えたもの、私より遥かに優れたものを感じさせるから
なのですが…、どうも、年上系のヒロインにはロリっ子と違って、そういったものを
感じられることが少ない、ほとんどなくて…、純粋無垢ということでは、ロリっ子を
超える存在はおらず、私が年上系に魅力を感じるのはそういったものよりは、知性的な
側面、知性的な優越についてなのですが、どうもそういった知性を感じられる年上系
ヒロインって、私には全然いないように感じるなあ…。初音姉様は、そんな優れたる知性
を感じられる稀有なヒロインですね。ここで云う知性は、知識の過多とか、そういった
ことではなく、知性というよりは強さというべきかな、知識的な量としての知ではなく、
行為、営みにおける質とでもいうべきもの。それは感情や偏見に惑わされることなく、
自らの置かれた場と、自らの居る世界を自身の能力の許す範囲において的確に捉え、
自らの願い意志する方向へ、自らの能力の範囲内において最も的確に行動できる力。
これは感情がないということとは違いますよ。例えば、感情が欲することがあったとして、
そのことに向かって、自らにおける最もベターな選択を、営みとして行える力、
自らの感情の為に、感情が曇らす世界を、その曇りを濾過して見ることの出来る力――。

こういった力、実践的な知性が感じられる女性が、私が好きになることの多い年上女性
なのでして、アトラク=ナクアの初音姉様は、まさに私にとってそういった女性ですね…。

ちなみに余談ですが、
「車輪の国、向日葵の少女」ロリっ子ヒロインのマナは、
こういった「強い知性」のある子として描かれていて、凄く魅力的だったなあ。
主人公は技能的には非常に優秀な人物なのですが、彼が「マナは俺のような凡俗
には敵わない賢い子だ」みたいに云う時、それは知識ではなく、この「強い知性」
を指している。知識や経験では年上の主人公に圧倒的にアドバンテージがある訳ですよ。
だけれど、マナは、まだ小さい子だけれど、自らの現在能力の最高を持ってして、
世界と向き合うすべを知っている子で…、感情や偏見に曇らされない、澄んだ眼差し
で世界を捉えることが出来、そしてその世界に対して、澄み渡った思考から生まれる
行為が出来る。これは、本当に、稀有な、世界と人との繋がりを感じさせる気高いこと。

アトラク=ナクアの初音姉様は、半神半妖の存在で、人間をあらゆる点で遥かに凌駕する
存在として描かれますが、設定的に「神様」とかになっているヒロインは昨今沢山いる
訳で、設定がどうであろうと、実践的な強い知性が行動から実際的に感じられないと、
私はそのヒロインに好感を抱くことは出来ない。そして初音姉様は、そういった実践的
な強い知性、世界への澄んだ眼差しを感じられる、私にとって心から愛を感じる存在――。



「ここには誰も来られないけれど…強い感情を抱いた者は入ることができる。
私に会いたいと……強く、強く、願ったものはね」

「あなたは来られるかしら?」

(アリスソフト「アトラク=ナクア」)

参考作品(amazon)
アリスソフト「アトラク=ナクア」

アリスソフト「デアボリカ」

アリスソフト「ナイトデーモン」

アリスソフト「夢幻泡影」

アリスソフト「オンリーユー」

あかべぇそふとつぅ「車輪の国、向日葵の少女」

鴨長明「方丈記」

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アリスソフトの眼差し −とりさんとマンスフィールド−

「ALICE SOFT HOME PAGE」(公式サイト)

誇らかに、一本きり、太陽に向って葉と実をさし伸べながら、
しいんとしたままに光彩を放っている何かそんな無人島に生えている
とも想われるような木だった。なのに天幕で隠さなくてはいけないのかしら?

(マンスフィールド「園遊会」)

エロゲの新作が12月下旬〜1月中旬はほぼ全く出ないので、
古い古いゲームを再プレイしています。何をプレイしているかと云えば…

「鬼畜王ランス」「夢幻抱影」「闘神都市U」

の3作品(どれもWIN95版)。いやあ、3作品とも面白いなあ(^^)

驚いたことに、ランスや闘神都市Uはインストール容量数10M、夢幻泡影に
至っては、インストール容量10Mですよ。然し、この数千倍のインストール容量
を使うゲームにも、この3作品は全く引けを取らないばかりか、寧ろ勝っている。

特に、勿論、ランスも闘神都市Uもプレイしていて時間を忘れるほど楽しいのですが、
どちらかというと夢幻泡影の方が私好みの感覚。夢幻泡影は死病に冒された主人公
の最後の一時を、何度も何度も様々な形で体験するゲームですが、私はこういう
不可思議な夢のようなオムニバス的作品が凄く大好きで…。例えば、海外TVドラマの
ミステリーゾーンとか、その和製版である世にも奇妙な物語とかも大好きですから…。

これも古い古いエロゲ作品ですが、
「TAXI幻夢譚」とか大好きだったな…懐かしい…。

昔は結構、なんというか、大人向けの不思議な童話のような、夢とも幻とも
つかないような不可思議でミステリアスな物語って結構あったような気が
するんだけど…最近の作品は、ヒロインのキャラクター性が全面的に押し出され、
不可思議でミステリアスな夢現の入り混じる幻想 って見当たらないですね…。

最近の作品だと、やっぱりどうしても「キャラクターが一番!!」みたいなところが
あって、幻想作品としての世界構造とかは、副次的なものとして扱われますから…。

キャラクター性が押し出された作品にも良いところは沢山ありますが、ただ、
どうしても、キャラクター性が押し出された作品は、ある種の色が付くんですね。
キャラクターを強く強調して描き出すことによって、世界よりも、人物達の思想信条
が強く浮かび上がり、それは最終的には、物語の書き手というものが浮かび上がる。
それは一つの色の付いた作品となり、世界を色眼鏡を通さずに見ることは出来ない
作品となる。そういった作品にも良さは一杯ありますよ。でも、私は、そういった作品
とは別に、作者が世界を描く為の透明な存在であることを心がけた作品、キャラクター
よりも”構造”――”世界”がまず第一義に見出されているような作も、プレイしたい…。

昔の作でぱっと思いつくところでは、夢幻泡影やTAXI幻夢譚以外にも「夢幻夜想曲」
とか「トワイライト・ホテル」とか「密柑」とか「Mi・da・ra」とか、色々あったなあ…。

最近のヒロインのキャラクター性をメインに展開する物語もそれはそれで
面白いけれど、夢現の境が曖昧になるような幻想譚も、再びプレイしたいです…。

最近のソフトハウスで、こういった幻想譚を作ってくれそうなのは、アリスソフトさん
くらいかな。ぜひ、また「夢幻泡影」のような作品を作ってくれないかな…。

数多あるエロゲのなかで、作り手自らは徹底的に透明な眼差しに徹して、
只、そこに在る作品世界を描ける作品は、私の知る限り、アリスソフトの作品くらい。
他のソフトハウスの作品は、どうしても、作り手の意識が前景化してしまう…。

アリスソフトの作品は、言葉にできない、創造者が意識を語り過ぎないゆえの
世界の存在性、世界が無造作に放り出されたようなある種の欠落性があって、
それは語らないという欠落であるがゆえに、世界を深く描き出す真の姿へと通じる…。

かのアリスソフトの作品群は、マンスフィールドの短編群に、似ているね…。
アリスソフトの誇る優れたシナリオライターであるとりさんが女性であることは、
マンスフィールドとある種の類似点を持っていると思うな。世界の周辺であることを
環境的に形成されてしまう女性という属性である作家のなかで、類稀に純粋な少女の
感受性と世界を見抜いて行く透徹な知性を持つ創造者だけが、この境地に達する。

それは透明な、限りなく透明な眼差し。純粋に世界を映し出すゆえに、美しい――。

人生が、ぼくらの眼にいつも「信じられぬ」ほどの美しさを呈示するというのは
本当ではない。しかし、人生が、常にそのような美しい姿を現し得るということも、
ぼくらは知らねばならぬ。そんな瞬間は決してしばしば来ない。だが、ぼくら自身の
経験の中ですら、そんな時がなかったとはいえないのである。こうしてマンスフィールドは、
彼女に長編小説を書かせなかった病気(マンスフィールドは病弱で生涯病に
苦しんでいた)のおかげで、印象派画家にも似た「過ぎ去って行く美」の鋭敏な
記録者となる。彼女の世界に「人間」も「自然」もいない。朗らかな声が、太陽の光が、
空気の清々しさがある丈である。それらの織り成す精緻な織物の中に、彼女は、
人間の影を捉える。まさに、今にも拡散して行きそうな淡い世界――しかしそれは、
印象派画家の決して使わなかった「死」の黒色で縁どられ、あやうく、拡散を免れている。

《太陽が昇るのを見た。美しいあんず色の、焔を燃え立たせた空、
それから厳かなピンク色になる。ああ、なんて美しいんだろう。
扉を叩く音がするので降りて行く。ペニーが蔦を切っているのだった。
小道の上に落とされた鳥の巣――乾し草と羽根をもつれさせたもの
――が横たわっていた。彼自身が蔦のくさむらのようだ。……》

………

マンスフィールドは、早くから自らを透明にしようと努力していた。
彼女の理想的な短編は一個のフィルターと化した作家によって
書かれるはずであった。しかし、次のような断片で、ぼくらは
恐ろしいまでに透徹した眼を見るのである。

《秋の庭に落葉。かすかな足音、優しいひそひそ話のようだ。
木葉は飛び、廻転し、舞い、震える》

(江藤淳「マンスフィールド覚書」)

参考作品(amazon)
アリスソフト「夢幻泡影」

アリスソフト「デアボリカ」

アリスソフト「アトラク=ナクア」

アリスソフト「ナイトデーモン」

マンスフィールド「マンスフィールド短編集」(園遊会)

江藤淳「江藤淳コレクション 第3巻」(マンスフィールド覚書)

ZyX「トワイライトホテル」

ミンク「Mi・da・ra」

 

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